毎日食べるごはんだからこそ、炊飯器は美味しく炊けることが一番です。でも、いざ選ぼうとすると、価格帯も機能もいろいろ。高いモデルは確かに美味しそうだけれど、自分にそこまでの機能が必要なのか、迷ってしまいます。
炊飯器の価格は、「内釜の素材」や「加熱方式」といった味の決め手になる部分だけでなく、使い勝手に関わる要素も含めていろいろな要素が関わってきます。機能が多ければ良いというわけでもなく、自分のライフスタイルに必要な機能を見極めることが大切です!
今回は、まず三菱電機の炊飯器の価格差を生む3つのポイントを解説します。そのうえで、5つのモデルを比較しながら、上位モデルと中位・小容量モデルでは何が違うのか、どんな人におすすめなのかを具体的にみていきます。

せっかく買い替えるなら、自分のこだわりと予算にピッタリ合うものを見つけてみてください!
炊飯器の値段を決める3つのポイント
炊飯器のパンフレットを見ると、いろいろな機能が書かれていますが、同じメーカーの中であれば、実は価格に大きく影響するポイントはシンプルです。 ここでは、値段の違いに直結しやすい「内釜や加熱)」「吸水技術と炊き分け」「容量」の3点について、具体的にどんな仕様が関係しているのかを順番にみていきます。
「内釜の素材」と「加熱方式」
炊飯器の価格が大きく変わる一番の理由は、やはり「ごはんの炊きあがり」に直結する部分、具体的には『内釜』と『加熱方式』の2つの性能差なのです。
まず『内釜』ですが、高価格帯のモデルになるほど、熱を伝えやすく、蓄えやすい素材や構造が使われています。 例えば、三菱の上位モデルに採用されている『本炭釜』は、釜そのものが炭素材でできていて、釜の底が10mmと非常に分厚いのが特徴です。 一方、中位以下のモデルでは『備長炭 炭炊釡』といった、金属製の釜に炭をコーティングしたものや、釜の厚みが2.0mm~3.5mm程度になっているものが多い傾向にあります。
素材が良く、厚みがある釜ほど、しっかり熱を蓄えてお米一粒一粒にムラなく均一に熱を伝えることができます。かまど炊きを実現する炊飯技術がここにあります。
次に『加熱方式』です。これは、内釜をどれだけ強力に、そして均一に加熱できるかという技術です。 高価格モデルでは『八重全面ヒーター』のように、複数のヒーターで包み込むように加熱します。価格帯が下がると、これが『七重』『五重』とヒーターの層(数)が少なくなる傾向があります。
ヒーターが多いほど、かまどで炊くような大火力と均一な加熱が実現できるのです。
「吸水技術」と「炊き分け」
ごはんの熱源に直結するものだけでなく、給水の技術や炊き分けにどこまでこだわるかも価格を決める大切なポイントです。『吸水技術』と『炊き分け機能』にも実は違いがあります。
お米は、炊く前にしっかり吸水させることで、芯までふっくらと、甘みのあるごはんに仕上がります。 炊飯器には、この吸水工程を自動で最適化してくれる技術が搭載されています。三菱の炊飯器では、上位モデルには『本炭吸水』という技術が、多くのモデルには『可変超音波吸水』が搭載されています。上位の技術ほど、お米の芯までじっくりと水分を行き渡らせるための、より高度な工夫がされているのです。
もう一つは『炊き分け機能』です。 「かため」「ふつう」「やわらか」といった基本的な炊き分けは多くのモデルにありますが、高価格なモデルになってくると、お米の銘柄に合わせて最適な炊き方をしてくれる機能が充実してきます。
例えば、最上位モデルでは『50銘柄芳潤炊き』に対応していますが、モデルによっては10銘柄、7銘柄と対応数が異なり、価格が抑えめのモデルでは銘柄炊き分け自体が非搭載(『芳潤炊き』のみなど)の場合もあります。
一度に炊ける「容量(サイズ)」
これまでみてきた性能のほかに、炊飯器の価格を左右する分かりやすいポイントが「容量(サイズ)」、つまり一度に何合炊けるかということです。
一般的な家庭では5.5合炊きが主流ですが、多くのメーカーで同じシリーズでも複数のサイズが用意されています。 三菱の例でも、同じ『NJ-VP』シリーズや『NJ-VS』シリーズには、5.5合炊き(NJ-VP10H / NJ-VS10H)と、10合(一升)炊き(NJ-VP18H / NJ-VS18H)がラインナップされています。
機能が同じであれば、当然ながら容量が大きくなるほど本体価格も上がる傾向にあります。5.5合炊きが一番汎用性があるのですが、人数が多いなど一度に消費する量が多い場合や、週末にまとめて炊いて冷凍保存するのであれば10合炊きが重宝するかもしれません。
逆に、なるべく冷凍せず炊きたてをいつも食べたいときなどは、3.5合炊きといった小容量モデル(NJ-SE06Hなど)が活躍します。 こうした小容量モデルは、5.5合炊きの主力モデルと比べると機能がシンプル(例えば低温調理機能が非搭載など)ですが、価格も抑えめになっています。

これらのポイントを押さえたうえで、自分のベストバランスを探るのが大切です!
【価格帯別】三菱5機種で見る機能の違い
価格を決めるポイントが分かっても、いざ製品を前にするとやっぱりややこしいのが機械の仕様です。ここでは、現行のモデルを「上位」「中位」「小容量」の3つのグループに分けて、それぞれの特徴と「どんな人にぴったりか」を比較していきます。
【上位】NJ-BW10H・VW10H:「本炭釜」で味を追求
三菱の炊飯器の中でも、特に「ごはんの味」にこだわりたい人向けのモデルが、この上位モデルの2機種です。
この2モデルの最大の特徴は、なんといっても『本炭釜』という釜底中央部が10mmと厚い釜を採用していること。 これは一般的な金属製の釜ではなく、純度99.9%の炭素材料から作られています。
炭はIH(電磁誘導加熱)と非常に相性が良く、釜全体が一気に発熱するのが得意です。この力で、お米一粒一粒にしっかりと大火力を伝えることができるのですね。
さらに、どちらも『八重全面ヒーター』を搭載し、釜全体を包み込むように加熱します。大火力と高い保温性で、かまど炊きのようなふっくらとした炊きあがりを目指しています。
最上位の『NJ-BW10H』は、内釜が『本炭釜 紬(つむぎ)』という特別な仕様。炊き分け機能も『50銘柄芳潤炊き』に対応していて、お米のポテンシャルを最大限に引き出したい、というこだわりに応えてくれるモデルです。
『NJ-VW10H』も同じ『本炭釜』です。銘柄炊きは『10銘柄芳潤炊き』とBW10Hよりは絞られていますが、基本的な性能は非常に高く、本炭釜の実力をしっかり体感できます。
どちらも低温調理機能が搭載されており、お手入れも内釜と内ぶたの2点だけと、高性能ながら使い勝手も考えられています。
NJ-VP/VSシリーズ:バランスの良い「炭炊釜」
「本炭釜は魅力的だけど、価格も気になる…」「味も機能も、バランスの取れたモデルが欲しい」という方に人気なのが、中位モデルの『炭炊釜』シリーズです。
このシリーズの内釜は、金属釜の周りを炭素材でコーティングした『備長炭 炭炊釡』を採用しています。本炭釜とはアプローチが異なりますが、炭の力でしっかりとお米に熱を伝え、ふっくらと炊き上げます。
このシリーズで注目したいのが、『可変超音波吸水』という技術です。 吸水工程で超音波振動を加えることで、お米の芯まですばやく水を浸透させます。これにより、お米を研いですぐに炊いても、しっかり吸水させたおいしいごはんが炊けるのです。忙しい毎日にはとても助かる機能ですね。
『NJ-VPシリーズ』は、より上位機種に近いモデル。 内釜は厚さ3.5mmの『金属5層構造』で、ヒーターも『七重全面ヒーター』。内釜の構造とヒーターの数で、より効率よく熱を伝える工夫がされています。炊き分けも『7銘柄芳潤炊き』に対応しています。
『NJ-VSシリーズ』は、VPシリーズから少し機能を絞って、よりお求めやすくなったモデルです。内釜は厚さ2.0mmの『金属2層構造』、ヒーターは『七重全面ヒーター』となっています。
この2シリーズは、5.5合炊き(VP10H / VS10H)だけでなく、1升炊き(VP18H / VS18H)も選べるのが特徴。まとめて炊くことが多い方にも対応しています。機能、価格、そして容量の選択肢。トータルバランスで選びたい方におすすめのシリーズです。

私が購入したのがこの中位モデルの高性能な方ですが、すっかり気に入っています!
【小容量】NJ-SE06H:炊き立て派のシンプル機能
「炊飯器は置きたいけれど、大きいのは場所を取る」「家族が少ないから、いつも炊き立てを食べきりたい」
そんなニーズに応えてくれるのが、小容量(3.5合炊き)モデルの『NJ-SE06H』です。
このモデルは、『備長炭 炭炊釡』(厚さ2.0mm/金属2層)と『五重全面ヒーター』を搭載しています。釜とヒーターの性能はシンプルになりますが、『可変超音波吸水』は搭載。 少量炊きだからこそ、一粒一粒の吸水が味に直結しがちですが、この機能があることで、0.5合からでもふっくらとおいしく炊き上げてくれます。
シンプルなモデルでありながら、白米の炊き分けが『4通り(かため/ふつう/やわらか/もちもち)』から選べるのも嬉しいポイントです。その日のメニューや好みに合わせて食感を調整できます。
上位・中位モデルに搭載されている『低温調理機能』や『お手入れモード』は搭載されていませんが、「おいしいごはんを、必要なぶんだけ炊く」ことに特化した、潔いシンプルさが魅力です。
後悔しないために知っておきたい買い方のコツ
炊飯器は価格帯が本当に幅広いのですが、高いものが良いとは限らないのが調理家電選びの難しいところでもあります。 この章では、後悔しないために知っておきたい「価格帯ごとの選び方」と、「通販・実店舗の使い分け」という買い方のコツを解説していきます。
価格帯別のおすすめな人をチェック
ここでは、三菱電機の炊飯器の現行ラインナップをもとに、価格帯ごとの特徴と、どんな人におすすめなのかをみていきます。
まずは、ラインナップとその価格を一覧にしました。
| 価格帯 | モデル例 | 価格例 | 特徴(内釜・ヒーター) | おすすめな人 |
|---|---|---|---|---|
| 高価格帯 | NJ-BW10H NJ-VW10H | 87,719円 69,440円 | 『本炭釡』(10mm厚) 『八重全面ヒーター』 | ごはんの味や栄養に徹底的にこだわりたい人。銘柄炊き分けや低温調理も楽しみたい人。 |
| 中価格帯 | NJ-VP10H NJ-VS10H | 40,449円 34,750円 | 『備長炭 炭炊釡(ダブル備長炭コート 熾火)』(3.5mm/2.0mm厚) 『八重/七重全面ヒーター』 | 毎日のごはんを美味しく炊きたいし、低温調理など便利な機能も使いたい、バランス重視の人。 |
| 低価格帯 | NJ-SE06H | 28,456円 | 『備長炭 炭炊釡』(2.0mm厚) 『五重全面ヒーター』 ※小容量モデル(3.5合) | 一人暮らしや二人暮らしで、多機能さより「毎日炊き立て」の美味しさを重視する人。 |
価格を確認したところで、改めて各モデルについて特徴とおすすめできる人についてまとめていきます。
NJ-BW10H, NJ-VW10Hがおすすめな人
高価格帯のモデルは、まさにメーカーの技術が詰まったフラッグシップ。一番の特徴は、分厚い『本炭釡』を使っている点です。炭の釜はIHの熱を全体にすばやく伝え、お米一粒一粒をムラなく加熱してくれます。ヒーターも『八重』と多層になっており、大火力でお米のうま味を最大限に引き出す構造です。
さらに、『50銘柄炊き分け』のようなお米の個性を楽しむ機能や、袋調理で後片付けも楽にできる『低温調理』機能も充実しています。
お値段は張りますが、食へのこだわりが強く、日々の食事を豊かに楽しみたい人にぴったりの価格帯といえます。
NJ-VP10H, NJ-VS10Hがおすすめな人
中価格帯のモデルは、美味しさと機能、価格のバランスが取れているのが特徴です。
内釜は『備長炭 炭炊釡(ダブル備長炭コート 熾火)』となり、本炭釡ほどのこだわりはありませんが、ヒーターは『八重』や『七重』としっかり多層構造になっています。お米の芯までふっくらと炊き上げる『可変超音波吸水』といった技術も搭載されています。
また、低温調理機能も使えるので、「忙しいけれど、食生活は大切にしたい」というニーズにも応えてくれます。この価格帯の上位モデル(NJ-VP10H)であれば、銘柄芳醇炊きも搭載されているので、スーパーでもよく見かけるようなメジャーな銘柄であれば個別の銘柄に特化した炊き方もできるようになっているのもポイントです。
「最上位モデルは高すぎるけれど、ごはんは美味しく炊きたいし、便利な機能も欲しい」という、堅実でバランス重視の人におすすめです。
NJ-SE06Hがおすすめな人
エントリー価格帯のモデルは、小容量(3.5合炊きなど)です。実売価格で3万円前後と、だいぶ手に取りやすい価格になっています。
とはいえ、こちらも『備長炭 炭炊釡』や『五重全面ヒーター』など、美味しく炊くための基本技術はしっかり押さえています。「毎日炊き立てを食べたい」というニーズに応えるため、少量でも美味しく炊ける工夫がされています。
機能はシンプルでいいから、基本性能がしっかりしたものが欲しいという、一人暮らしや二人暮らしの方、多機能さよりもコンパクトさや基本性能を重視する人に向いています。
通販と実店舗、どっちで買う?
欲しいモデルの価格帯が決まったら、次に悩むのが「どこで買うか」です。炊飯器のような家電は、通販(ネットショップ)と実店舗(家電量販店)、どちらでも購入することができます。正直なところ、それぞれにメリット・デメリットがあるので、自分に合った方で買う必要があります。
通販(ネットショップ)の最大のメリットは、何より価格にあります。実店舗の運営コストがかからない分なのか、安価に設定されていることが多いのです。特に型落ちモデルやセールのタイミングを狙えば、かなりお得に購入できる可能性があります。また、たくさんのショップの価格や口コミを比較できるので、その場の勢いで買わずに済むのも大きな魅力ですね。
ただし、対面で説明を受けながら相談して決めたい場合は実店舗が強い味方になります。その代わり、価格は通販に比べるとなかなか勝てません。
もちろん、すぐに持ち帰りたい場合や、アフターサービスを対面で受けたいときは、実店舗が便利です。でも、もし同じ商品なら少しでも価格を抑えて購入したいということなら、通販も選択肢の一つになります。最近は長期保証を付けられたりと、サービスが手厚くなってきています。

私も今回通販で購入したのですが、店舗に比べてかなり安く、それでいてちゃんとした新品を購入出来て助かりました!
まとめ
- Q同じIH炊飯器なのに、どうしてこんなに値段が違う?
- A
内釜の素材や厚みとヒーターの火力に違いあり
高価なモデルほど、熱を伝えやすい「本炭釜」や、釜全体を包む多層ヒーターが使われています。
- Q味も機能もバランスが良いモデルを選ぶポイントは?
- A
釜の性能と各技術のバランスが良い中価格帯が狙い目かも
最上位は高いけれど美味しいごはんも便利な機能も欲しいという私のようなタイプであれば、中価格帯のVPシリーズがおすすめです!
- Q通販と実店舗、炊飯器はどこで買うのが良い?
- A
価格重視なら通販、対面重視なら実店舗
実店舗は店員さんに直接相談できる安心感、そしてネット通販は価格の安さが一番の魅力です!
炊飯器は日常で使うものだからこそ、機能や価格のバランスが大切です。私も購入するときは悩んだのですが、でも思い切って購入したらごはんがおいしくて本当に買い替えて良かったと思っています!特に今はお米自体が高くて、せっかく買ったお米をおいしく食べたいと思っていました。その点でも、炊飯器は強い味方になってくれています。

ぜひお気に入りの一台を見つけて、おいしいごはん生活を始めてみてくださいね!
